みんなの聞こえ
複数の研究によって、現代テクノロジーが生み出す大きな騒音と、30-49歳の年齢層における補聴器ユーザーの増加に見られる早すぎる世代での難聴との間には、直接的な相関関係があることが示されています
2017/09/20
聞こえ

現代のテクノロジーが聞こえに与える影響とは・・・

How modern technology is damaging our hearing

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レイチェル=トンプソン、ゲストライター、Healthy Hearing | 2017年4月10日

朝の通勤電車では、どの車両もヘッドフォンを耳にかけた通勤客で混雑しており、さらにこれらの通勤客の耳元から漏れた音楽を聴く羽目になったという経験も私たちのほとんどが持っています。騒音公害や聴覚への知識・教育の不足によって、人とデジタル機器との間の不健康な関係が難聴を抱える世代を生み出しているという事実を、わたしたちの多くは露ほども知らずに過ごしています。

複数の研究によって、現代テクノロジーが生み出す大きな騒音と、30-49歳の年齢層における補聴器ユーザーの増加に見られる早すぎる世代での難聴との間には、直接的な相関関係があることが示されています。聴力の低下は多くの場合ゆっくりと、身体的な痛みといった症状のないままに年月をかけて進行していきます、そのため、場合によっては手遅れとなるまで自身の聴力低下に気づかないこともあります。テクノロジーはこれからも私たちの日常生活にますます密接に結び付いていくでしょう。将来に向け私たちの聞こえのために何ができるでしょうか?また聴覚の損傷は本当に取り返しのつかないものなのでしょうか?

音の響き

ブランド名がそのまま商品名で通るようなハイテク企業は、迫力と豊かな音響体験を求める消費者のニーズに応える製品を継続的に市場に送り出しています。実世界に迫る高解像度の映画体験を自宅で再現するためにサラウンドシステムを買い求めることもできます。さらに日常的にオフィスや工場フロア、繁華街の歩道、またお気に入りのパブやレストランなど、環境の中には耳に響き、ときに聞こえを妨げるような騒音(バックグラウンドノイズ)があふれています。

難聴に悩む人々の増加と、消音型ヘッドフォンといった身に着けるウェアラブル音響機器の進化には直接的な関係性が見られます。英国の医療機関比較サイトClinic Compareの補聴器マネジャー、シェリーナ=ぺータル氏(Shreena Patel)は次のように助言しています 。

「私たちはお気に入りのポッドキャスト*、お気に入り音楽などのプレイリスト、または映画を平和裏に楽しみたいなどから、聞こえの妨げとなるあらゆる背景騒音を取り除くことに多くの場合とても熱心です。一方で、大音量で奏でられる音が耳にどのように影響するかについては、ほぼ完全に無視されています。報告によれば、携帯音楽プレイヤーを使用する凡そ66%近くの人々が永久的な聴力障害を引き起こす可能性のある85デシベル(dB)またはそれ以上の音量で聴いていることを示しています。」現代テクノロジーが引き起こす騒音は日常生活で避けがたいものですが、私たちの聴覚を健康に保つためにも携帯プレイヤーなどは、安全な音量レベルで楽しむべきです。

*ポッドキャスト=インターネット上でダウンロード可能な音楽ファイルや情報・語学番組、ニュースなど

補聴器はもはや祖父母の年代に向けたアクセサリーでない

補聴器装用者の年齢構成比に大きな変化が見て取れるように、若年世代での騒音性難聴リスクを考慮する必要があります。補聴器はもはや祖父母の年代だけのものでなくなっています。米国国立聴覚・伝達障害研究所では、若年層の補聴器使用の増加を記録しています。実際、同研究所のデータでは20〜39歳の男性で難聴が顕著になっていることが明らかになっています。この年代層の男性の約32%が何らかの騒音性難聴を抱え、女性ではその数値は20%でした。さらに、米国の30歳では、12人に1人は難聴を持つ人と同居しているとされます。聴力低下は、時間経過とともに徐々に増加していきます、したがって現在表に出ているこの数値は始まりに過ぎないのかもしれません。2001年Apple社によって音響プレイヤーに革新がもたらされたその余波は将来にわたって決定づけられるのかもしれません。

あなたのヘッドフォンの音量は大丈夫ですか?

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過去1年の間、携帯音楽プレイヤーの使用に伴う潜在的な難聴リスクについて、メディアの関心が多く寄せられています。若い世代の90%以上がパーソナル音楽プレイヤーを聴いていますが、多くは音量を最大限まで上げているとされます。米国国立労働安全衛生研究所の調査によると、耳に挿入されたイヤフォンは、滑走路から離陸する飛行機の音量に匹敵する120dBを超える大音量を生成できます。米国ボストン小児病院にて聴覚診断のディレクターを勤め、ハーバードメディカルスクールでは耳科学の講師も務めるブライアン=フリゴー氏(Brian Fligor)は、異なる大きさの音がそれぞれ耳に与える影響について研究を行いました。

その結果は決定的でした。1日8時間にわたり85 dBの音量を聴き続けることは可能であり、この間、聴覚も健康な状態を保つことができます。しかしながら、音量がさらに上がると、音の大きさと聴覚の健康との関係はイコールではなくなります。85dbからわずか5dB音量を高めた、90dBでは安全とみなされるリスニング時間はわずか2時間半です。危険で安全といえない100 dBまで音量を上げた場合では、専門家は15分以上100dBの音量に耳を曝さないよう推奨します。今日の携帯型音楽プレイヤーについて知っておくべきは、極めて大きな音量までボリュームを上げられるということです。大音量で聴く場合、安全に聴くことができる時間はほんの数分に過ぎません。

危険なまでの大音量について今こそ行動を起こしましょう。毎日の日課をちょっとだけ変えるだけです。

身体への影響

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騒音公害は、すべての人への警告とはなり得ないかもしれず、聴力へのダメージを心配したことがない方もいるかもしれません。しかし、大きな騒音からの重大な影響には、高血圧といった深刻な症状もあり、これらは、無視されるべきではありません。危険なまでの騒音レベルに対して今こそ行動を起こしましょう、毎日の日課を少しだけ変えるだけです。

世界はいま以上に静かにはなりませんが、騒音があなたの体と精神に与える影響を軽減する方法はあります。報告によれば、適切な対処があれば永久的な難聴の約3分の1は予防できるとされます。米国疾病管理センターは、60/60ルールを推奨しています。これはすなわち、どんな電子機器についても最大音量の60%まで音量を下げ、そしてこれらの器機によるリスニング時間の合計を1日60分程度に抑えるというものです。このアドバイスを早期の警告として受け止めることで、今ある聞こえを守って、音が人生にもたらす様々な驚きを楽しみ続けることができます。

お気に入りの音楽プレイヤーの音量をいま一度見直してみませんか、またもしも聞こえがいつもと違ったらどうぞ迷わずにお近くの耳鼻科の専門医へご相談下さい。

ゲストライター, レイチェル=トンプソン(Rachael Thompson)

レイチェル=トンプソンは、ロンドン在住の医療企画比較サイトClinic Compareのリサーチャーです。Clinic Compareは、英国国内においてオンライン上で信頼できる医療機関や補聴器を含むヘルスケアサービスを検索比較するユーザーのためのオンラインサービスです。レイチェルは、補聴器技術を始め、ソーシャルメディアがウェルネス産業に与える影響といったヘルスケアにおけるトレンドについて強い関心を抱いています。

【本件に関するお問い合わせ】

■ オーティコン補聴器マーケティング部(担当:山口、渋谷)
■ TEL 044-543-0615
■ FAX 044-543-0616
■ E-mail info@oticon.co.jp

本記事は米国HealthyHearingによって記載された記事を基に、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。当該記事は本社を置くデンマークまた米国での情報をもとにしており日本国内での基準と異なる場合もあります。本記事のコピーライトは healthyhearing.com並びにOticonに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingまたはOticonが指定する執筆者または提供者に帰属します。

引用元について:Contributed by Rachel Thompson, guest writer , Healthy Hearing |April 20, 2017

英語版は下記から参照いただけます:http://www.healthyhearing.com/report/52747-How-modern-technology-is-damaging-our-hearing