みんなの聞こえ
認知症予防に関する可能性について、国際的に権威あるランセット委員会は、認知症につながる9つのリスク要因を挙げると共にすべての認知症症例の3件に1件が、中高年における高血圧や肥満、難聴の適切なケア、小児期の教育機会向上、65歳以上の運動や社会的参加など年齢層に応じた適切な対処が認知症遅延または予防の可能性につながると報告しています。
2018/01/12
聞こえ

新たな研究より聴力低下が認知症につながるリスクの一つに挙げられる

家族

国際的な専門家メンバーによって構成された、認知症予防、介入およびケアに関するランセット委員会(Lancet Commissions on Dementia Prevention, Intervention and Care:以下ランセット委員会)の新たな報告書によると、難聴を適切に管理することは認知症のリスクを軽減する一助となる可能性があることが報告されました。ランセット委員会のこの報告書では、下記のとおり年齢に関連した9つのリスク要因を挙げています。

  • 最長15歳までの幼児期の教育レベル
  • 45~65歳:高血圧、肥満及び難聴
  • 65歳以上:喫煙、うつ症状、運動不足、社会的孤立、糖尿病

認知症とは?

聴力低下は認知症患者にとってリスクとなる
聴力低下は認知症患者にとってリスクとなる

認知症とは、重度の記憶障害並びに、その他の精神的な能力の変化を指し一般に65歳以上の人々に対し影響を与えるこれらの症状を指す一般的な用語です。中でもアルツハイマー病は最も一般的なタイプの認知症であるとされています。

ランセット委員会によれば、2015年の時点で世界中の約4,700万人が認知症を抱えて生活しているとされ、推定8,180億ドルの関連費用が発生しているとされます。この数字の85%近くは、家族や社会に影響を及ぼすような医療以外の費用に関連するとされています。専門家は、認知症を抱える患者数が、2030年までに6,600万人に、2050年までには1億3,100万人に増加すると予測しています。この報告書は、2017年に英国ロンドンで開かれたアルツハイマー協会国際会議( Alzheimer’s Association International Conference:AAIC)で発表されました。

認知症は、本人のみならず家族にも影響を及ぼし消耗させる症状といえます。米国ワシントン大学(University of Washington)の専門家による研究によれば、認知症を患う人々は、認知能力が保たれている健常者と比較して入院に至る可能性が約2倍高いとされています。さらに、アルツハイマー病協会の2017年3月の報告によると、米国において1,500万人の人々が認知症を患う自身の家族に対し人的な支援、精神的なサポート、さらに財政的支援を提供しているとされ、それらの支援の結果、支える側の家族の約35%が自分自身の健康に関連した問題に苦しんでいるとされています。

認知症予防について

認知症は予防できるものなのでしょうか?その可能性があります。ランセット委員会の報告によると、すべての認知症症例の3件に1件が、中高年における高血圧の積極的治療、小児期の教育機会を高めること、運動や社会的参加を増やすなどのリスク要因を排除することで認知症を遅延または予防する可能性があるとしています。喫煙を減らすこと、難聴に対処すること、うつ病、糖尿病、肥満を防ぐことなども認知症を予防するための重要な要素となり得るとしています。

聴力低下をどのようにケアしていくべきか

聴力の低下を適切にケアしていくことは、感情や身体、そして精神的な側面から健康的なライフスタイルを取り入れていくことにつながります。認知症に加えて、難聴をそのままに放置しておくことは、うつ病および社会的孤立のリスク増加、ならびに高血圧、心臓病および糖尿病などといった他の病状の指標との関連も指摘されています。

いまの聞こえを守るには

電子機器類の音量を下げることは、騒音性難聴を発症するリスクを軽減する
電子機器類の音量を下げることは、騒音性難聴を発症するリスクを軽減する

米国衛生研究所(NIDCD : National Institutes on Deafness and Other Communication Disorders)は、全米で4,000万人を超える人々が騒音性難聴を抱えると予測しています。騒音性難聴は自らの手でもっとも予防ができるタイプの難聴です。音楽プレイヤーなど電子機器類の音量を下げること、あるいは騒がしい環境に曝されている場合は、耳栓といった聴覚保護具を身に付けることによって、騒音性難聴を発症するリスクを軽減することができます。日常の中で起こりうる予期しない難聴リスクへの対処も含め、「聞こえを守る」ための準備を忘れないでください。

定期な聴力検査の習慣を

現在の聴力を把握するためにどうぞお近くの耳鼻咽喉科へ定期的に足を運んでいただくことをお勧めします。年に一度健康診断を受けるという成人が増えています、ここに定期的な聴力検査を加えることは良い習慣です。一度基準となる聴力検査結果を得ることでご自身と聴覚ケアの専門家の双方で聞こえの変化を詳しく見ていくことができ、必要な時に適切な対処を行うこともできます。

聴力の低下があれば適切なケアを受けましょう

医療機関を受診し、専門家のケアを受ける
医療機関を受診し、専門家のケアを受ける

私たちの耳は音を集めますが、耳を通じて届いた声や音の意味を理解するのは私たちの脳の働きです。医療機関において難聴と診断され、補聴器の装用を勧められた場合には、早期の装用を検討してください。今日の補聴器は、非常に目立ちにくく、装用の際の快適さが高められており、また最新の技術が凝縮されています。最近の研究によれば、聞こえの改善に役立つだけではなく、わたしたちの脳をより健康に保つことにつながることが示唆されています。

【本件に関するお問い合わせ】

オーティコン補聴器:山口(PR)、渋谷(プロダクトマーケティング)
■ TEL 044-543-0615/ FAX 044-543-0616/ E-mail 
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本記事は米国HealthyHearingによって記載された記事を基に、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。当該記事は本社を置くデンマークまた米国での情報をもとにしており日本国内での基準と異なる場合もあります。本記事のコピーライトは healthyhearing.com並びにOticonに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingまたはOticonが指定する執筆者または提供者に帰属します。

引用元について: Contributed by Debbie Clason, Staff writer, Healthy Hearing August 22, 2017

英語版は下記から参照いただけます: https://www.healthyhearing.com/report/52780-New-study-names-hearing-loss-as-one-of-nine-risk-factors-for-dementia