みんなの聞こえ
音のないサッカー!デフサッカーの世界とは?
2018/05/11
聞こえ

 

デフサッカーをご存知ですか?deaf(デフ)とは英語で「聞こえない、または聞こえにくい人」を意味します。デフが競技名についたこのデフサッカーとは、聴覚障がいを持ったスポーツ選手がプレーするサッカーです。本稿では試合中に補聴器を外すことが義務付けられていることから「音のないサッカー」の愛称で呼ばれているこのスポーツについて紹介していきます。
 

豆知識

ちなみに、国際大会での表記はDeaf Football(デフフットボール)。サッカーを「サッカー」と呼ぶのは国際的には少数派で、サッカー発祥の地英国、欧州を含む多くの国でサッカーはフットボールの名称が使われています。競技場を「ピッチ」と呼ぶのも英国風でこれに対しアメリカでは「フィールド」が使われます。サッカーは誰もが知っている歴史ある競技ですが、使われる言葉も国や時代によって少しずつ変わっているようです。

デフサッカーについて知りたい!

代表チームの練習風景。背中に光るロゴは!?

「音のないサッカー」のルール

試合人数 : 11人, 試合時間 : 45分, ピッチサイズ : 通常のサッカーと同じフルコート

デフサッカーのルールは、基本的に一般的なサッカーのルールと同じです。ただし、全ての選手が音の聞こえない立場でプレーするという公平性の観点により、試合中はすべての選手が補聴器を外すことが義務付けられています。選手はホイッスルが十分に聞こえないため、主審は笛とフラッグとの両方を使用します。(国際試合ではさらに両ゴール裏に1人ずつ、主審(1)+副審(2)+2=合計5人のフラッグを持った審判員が、プレーの停止を多方向から伝えます。)

どちらが正解でしょうか?
さてサッカーから音がなくなるとはいかなる状況でしょうか。主審の笛の音はフラッグにより情報が補われますが、サッカーにおいて大事な音は笛だけではありません。選手同士や監督が声をかけて情報や指示を伝えるコーチングは、サッカーをはじめとする大部分のチームスポーツにおいてゲームを進める際の重要な要素ですが、デフサッカーの選手達はこうした手段がとれません。かわりにアイコンタクトや手振りなどを駆使することでコミュニケーションをとり試合を進めます。もっぱら視覚をフル活用して行われる彼(彼女)らのこうした独特のコミュニケーションも、ひとつの技巧として注目しながら観戦していただくと面白いかもしれませんね。

デフサッカーに出場する選手とは?「聴覚障がい」とは?

掃除機

デフサッカーに出場する選手は聴覚障がい者です。日本では身体障害者福祉法において障害の程度により2級、3級、4級、6級の等級があり、最も軽い6級では両耳の聴力レベルが70dB以上、一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上と定められています。6級からデフサッカーの対象者です。

dB(デシベル)とは音の単位であり、数の大きさで音の大きさ、強さを表します。健康な人が聞こえる一番弱い音を0dB、その10倍を20dB、100倍を40dB、1000倍を60dBというように表示しています。聴力検査ではどのくらい小さな音まで聞き取れるかを計測しています。つまり聴力レベルのデシベルの値は、その数より小さいデシベルの音が聞こえない、または十分に聞こえないことを意味しており、一般に聴力レベル〇〇デシベルの数字が大きいほど、難聴の程度が重いと言えます。

それでは聴覚障害等級6級の定義である「両耳の聴力レベルが70dB以上」にでてきた70dBとはどのような音の世界なのでしょう?70dBの音量の目安として電話のベルやヘアドライヤー、そして掃除機の動作音などが挙げられます。一般には「かなりうるさい、またはかなり大きな音」と感じるであろう音量といえます。現在の日本の法律で定められている最も程度の軽い6級の方であっても、同じく70dBの目安ともされるセミの鳴き声やなども聞きとることが難しいということになります。

人の聞こえは脳の働きとも結びついているため、同じ音の大きさでも一人ひとり聞こえ方は異なりますが、デフサッカーにおいて補聴器を外してのプレーでは音以外のコミュニケーションが想像以上に重要なのだなという感想をお持ちになったのではないでしょうか。

6級のもうひとつの定義「一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上」についても見ていきましょう。まず一側耳、他側耳とは「どちらか片方の耳」「もう片方の耳」という意味合いです。90dBの音量のめやすは芝刈り機の動作音、50dBはエアコンの室外機の動作音や木々のざわめきが挙げられます。

なお国際ろう者スポーツ委員会は、国際試合の出場条件として聞こえが良い方の耳の聴力が55dB以上としています。日本と国際ルールが異なっており、少々ややこしいといえるかもしれません。

活動は自己負担という現状

一部の人気の競技を除けば、多くのスポーツ選手がそうであるように、デフサッカーの選手たちの活動資金のほとんども自己負担です。2015年当時日本ろう者男子サッカー代表監督をつとめた中山剛氏により開設されたクラウドファンディングプロジェクトのページ(募集は終了しています)を見ると、彼らアスリートのおかれた経済事情を理解することができます。

健常者と変わらず、ただ『聴こえないだけ』です。しかし取り巻く環境はよくありません。普段の就業先、業種、契約形態も様々。勤務先への合宿参加に伴う休暇取得も一苦労。彼らはいろんな厳しい環境を前に、実力があるのにもかかわらず選手を続けること、日本代表での活動を諦めざるをえない選手がいます。少しでも彼らのために環境を変えていきたい。ただその思いだけです。

オリンピック、世界選手権出場に必要な資金は1人あたり40万円。国内合宿に参加で56万ほど。その全て自己負担で、活動場所や回数が限られているのが現状です。

ろう者サッカー『音のない世界のサムライブルーを応援しよう!』

また、職場によっては必ずしもアスリート活動について理解が得られないこと、大会出場資金や合宿等は自己負担のため活動場所や回数が限られていることなどから、実力のある選手が選手や日本代表をあきらめざるを得ないという現実があります。

オーティコンの理念は「ピープル・ファースト」、これは聞こえに悩む人々の立場にたち、その人々を第一に考え、力づけることを意味しています。聞こえに悩む人々の声に耳を傾け、その人たちが自由に会話し、積極的に社会参加ができるように力添えをすること、その一つの形としてオーティコン補聴器はろう者サッカー協会のゴールドスポンサーとして、デフサッカーの普及を支援しています。

■オーティコン補聴器は一般社団法人ろう者サッカー協会とゴールドスポンサー契約を締結しました

http://www.oticon.co.jp/aboutus/info/2018/20180418

デフサッカーをサポートする

握手

観戦やイベントに足を運ぶだけでもサポートになります。興味を持たれた方は、日本ろう者サッカー協会のHPの情報をチェックし、ぜひ一度実際の大会やイベントなどに行ってみましょう。

■日本ろう者サッカー協会のHP

http://jdfa.jp/news/

より積極的にサポートをするためにJDFAサポーター会員になるという方法もあります。

■2017年度 JDFAサポーター会員募集

http://jdfa.jp/news/jdfa_member_2017/

参考

フットボールとサッカー、どちらが正しいの?|お問い合わせ|日本サッカー協会

http://www.jfa.or.jp/info/inquiry/2011/11/post-4.html

ろう者(デフ)サッカー(聴覚障がい)|選手・指導者向け情報|メディカルインフォメーション|サッカーファミリー|JFA|日本サッカー協会

http://www.jfa.jp/football_family/disability/hearing_disability.html

【当該記事に関するお問合せ先】

■ オーティコン補聴器 PR(山地)、デジタルマーケティング(岡根)
■ TEL 044-543-0615
■ FAX 044-543-0616
■ E-mail info@oticon.co.jp