ヒアリングループ(旧 磁気誘導ループ)をご存知ですか?

13/10/19

ヒアリングループロゴ

オーティコンでは例年、クラッシク音楽コンサート”みみともコンサート”を開催しています。当該イベントでは、難聴の方々への配慮として、会場の座席に「ヒアリングループ」を設置しています。本イベントを通じて、補聴器・人工内耳を装用し、当日ヒアリングループをご使用になった方、またこのコンサートを通じて、はじめて「ヒアリングループ」について知ったという方々からも、ヒアリングループシステムについてもっと詳しく説明して欲しい、またもっと多くの人々にヒアリングループについて伝えてほしいとの声を継続的にいただいております。コンサートの開催を前に、本コンテンツを通じて皆様へ、難聴の方の聞こえをそっと支えるヒアリングループシステムについての情報をお届けいたします。

ホールや会館、会議室などの広い場所での補聴器や人工内耳の聞こえをサポート、しかし導入はまだまだ限定的

補聴器または人工内耳を装用されている方にとって、公共施設やホールなどで、聞き取りに苦労された経験があるかもしれません、劇場、空港、会議室ときには非常に混んでいる病院の待合室などで、聞き取りの妨げになる騒音があることによってストレスを感じられたことがあるかもしれません。

または、訪れた施設などでヒアリングループシステム(旧 磁気誘導ループ)が敷設されていることにお気づきであるかもしれません。ヒアリングループは多額の費用をかけることなく、何百万人もの人々にもっと明瞭な聞こえを届けることが可能になるかも知れない聞こえに関するひとつの解決策です。

ヒアリングループのメリットについて、経験をされた方々の意見を伺うと、聞こえ方が全く違うといいます。一方でヒアリングループのシステムは近年の様々な働きかけによって、少しずつ変化はあるものの本来もっと普及すべきであるにもかかわらず、その導入は限定的にとどまっています。

ヒアリングループ(旧 磁気誘導ループ)の仕組みとは?

テレループに対応した補聴器が多くあります。補聴器本体に対応機能が無くても多くの場合外部機器との接続で使用が可能です

補聴器

聞こえの悩みのある方々にとって公共施設、ホール、教室や体育館などさまざまな方向から、あらゆる音が聞こえてくる環境で、正確に音声を聞き取ることはたいへん難しいことです。補聴器や人工内耳の装用だけでは解決が難しいことがあります。補聴器や人工内耳の聞こえをさらにサポートするために、ヒアリングループ(旧 磁気誘導ループ)はあります。

ヒアリングループとは、基本的には、絶縁した銅線ワイヤーを導入したい施設内の床などに這わせて輪(ループ)になるように敷設します。ループアンテナを使用する場合もあります。敷設を行った施設の放送設備や、音響システムなどを使用しますが、マイクなどからの音声を音信号に変えて送ります。

マイクなどの音声信号を磁気誘導アンプ(ループになったワイヤーやループアンテナに磁界を発生させるために必要な電流を発生させる機械)を通じて、ワイヤーやループアンテナに電気信号として送ります。この磁力を補聴器や人工内耳で感知させることで、「音声」としてこれらのユーザーは音を聞き取ることができます。

ヒアリングループ(旧 磁気誘導ループ)にはいくつもの優位な点があります

  • 補聴器や人工内耳ユーザそれぞれの聞こえにあわせて既に調整してある補聴技術や機能をそのまま活用できる
  • 追加的な外部機器を準備することなくよりクリアでかつ直接的に音を聴くことができる音響システム、テレビ、ラジオ、スマートフォン、タブレットなどほとんどの音響機器が使用できる
  • 磁気ループを敷設した劇場内などで自由に席を変えたりすることができる
  • 聞こえに対するユーザのニーズにそれぞれ対応できる背景にある不要な雑音を減らして聞きたい音をより聞きやすくする
  • 目立つことなくユーザーがグループ活動などに参加することができる
  • ヘッドホンなどの追加的な機器が不要*
  • ユーザー側にコスト負担が生じない*

*テレコイル内蔵で無い補聴器はのぞく

もっともっと磁気ループや要約筆記などが広がってほしいとの声をいただいています

弊社”みみともコンサート”では、難聴の方々への配慮として、曲名や演者の挨拶などの要点を要約筆記(スクリーンに文字にて概要を字幕のように表示)を導入するとともに、ヒアリングループ(旧 磁気誘導ループ)を会場内に設置し、より良い音質と情報保証をもってコンサートを楽しんでいただくことを目指しています。昨年までの”みみともコンサート”にご参加いただいた皆様から要約筆記、そしてヒアリングループ(旧 磁気誘導ループ)に関しての感想や提言もいただきました。

  • ヒアリングロスソリューションを多面的に展開して欲しい。聞こえの啓蒙となる情報など社会にもっと普及してください。WHOの難聴予防キャンペーンに対して、メーカーももっと力を入れて下さい。
  • ループなどが特別なものではなくどこのホールや劇場などでも設置されるとよいなと思います。ぜひそういう働きかけをお願いしたいなと思います。
  • 劇場、スポーツスタジアム(五輪競技場)、交通機関(タクシー、バス、地下鉄、新幹線など)クリアにアナウンスが聞こえることが難聴者の夢。ヒアリングループは、設置の問題だけではないので入力(マイクの持ち方、話し方)と出力(ヒアリングループの設置方法やパワーなど)が大切です。

また、上記イメージ(右)の「T付き耳マーク」は、日本国内において、ヒアリングループ設置場所並びに対応機器を示すマークとして使用されているマークです。弊社の”みみともコンサート”の会場ではそれぞれ、ヒアリングループ(旧 磁気誘導ループ)の設置について「T付き耳マーク」の表示を設置することで啓蒙の意味を含めたご紹介をいたしております。

弊社イベントにこれまにご参加いただいた皆様の声

センセイクマ

ご来場いただきました皆様からの声の一部をご紹介いたします。

  • サロンコンサートのように肩ひじを張らずに楽しむことができた。ホールの大きさが三重奏にふさわしく、生の音を存分に堪能した。
  • どんな素晴らしい録音のCDよりもレコードよりもライブが一番です。演奏者と聞き手の息の合わせ方で楽しみは変わるし、生きています。ベートーベンですら難聴で苦しんだことがあったのですから、今後もこういった企画で機会を作りくださることを期待します。
  • いろんなライブがありますが、クラシックは生音楽で体験するもの、生楽器にこそ、その音らしさが含まれているので難聴者、健聴者に関わらずもっと生音に親しんでほしい「要約筆記」を初めてみました。
  • 普通のコンサートでも気兼ねなく聴きに行かれる環境が整うともっと良いと思います。
  • 幼い時期に素晴らしい音に触れる機会を下さってありがとうございます。親にも子供にも聞きやすい曲で飽きずに楽しく聞いていました。
  • 難聴、健聴に関係なく、国籍も超えて、音楽を共有できるという機会はとても素晴らしいと思います。本物に触れました。

弊社が主催する”みみともコンサート”は、例年東京において開催しており、毎年本イベントの開催にむけては、多くの皆様のご協力をいただいております。弊社は社会貢献活動の一環としてこのようなイベントを開催しておりますが、今後も聞こえに悩みを抱える方々へ素晴らしい体験をして頂くとともに、健聴者の方々に対しても聞こえや難聴に関する理解促進の啓発活動を行ってまいります。

本件に関するお問い合わせ
  • オーティコン補聴器 (山口、渋谷)
  • TEL 044-543-0615
  • FAX 044-543-0616
  • E-mail info@oticon.co.jp

本記事は米国HealthyHearingによって記載された記事を基に、一般的な情報提供を目的として再編成したものです。当該記事は本社を置くデンマークまた米国での情報をもとにしており日本国内での基準と異なる場合もあります。