何百万人もの人々が聞こえにくさを否定しているということが、新たな研究で明らかに

26/08/21

補聴器メーカーのオーティコンが英国の調査会社One Poll社とともに、英国の成人2,000人を対象に行った全国規模の調査によると、調査への参加者の40%が、両親のいずれかは聞こえづらさを抱えている一方で、親自身はその問題を認めていないと考えていることがわかりました。また参加者の4分の1以上は、友人についても同様の状況があると考えており、また18%の参加者は、聞き取りに苦慮しながらそのことを自覚していない同僚がいると考えています。

調査では、「他の人たちが小さな声で話している」「ひんぱんに聞き返す、または繰り返すように求める」また「周囲に騒音があるときや、人ごみの中で会話が聞き取りにくい」といった聞き取りにくさを感じている人の特徴が明らかになりました。

オーティコン デンマーク本社でチーフオーディオロジストを務める、トーマス・ベーレンスは次のように述べています。
「当然のことながら、自分の聞こえが以前とは異なるということを認めることは、多くの人にとって非常に困難なことです。また、問題があることに気づくことも難しいかもしれません。難聴はゆっくりと進行するため、自分の足音や鳥の鳴き声などが聞こえないことに慣れてしまっていることもあります。時には、配偶者や友人などから『"今なんて言ったの"を連発している』、『テレビの音が非常に大きい』、『話した内容を何度も繰り返してという』などと伝えられ、はじめて聴力に問題があり、専門家のサポートが必要なことを悟るといった場合もあります。」

この調査では、難聴を否定していると思われる人を知っていると回答した10人中7人以上が、大切な人に向けて自身の懸念を伝えているということも分かりました。47%は難聴があるのではないかと率直に伝えたことがあり、41%は家族にみられる難聴の兆候について定期的に指摘している一方、37%は直接的なアプローチではなく、何気なく伝える方が好ましいと感じています。

しかしながら、多くの人にとって難聴の話題はタブーとなっています。聴力低下がみられる家族に対し、約4分の1は、「気が進まない」という理由からその懸念について伝えないことを選択し、また42%は「話を聞いてはもらえない」と考えています。

また調査は、難聴の症状を否定する可能性の高い人との仕事や生活、そして交流は人間関係に影響を及ぼすことについても明らかにしました。3分の1以上の人が、話を聞いてもらえないことに不満を感じ、繰り返し話をしなければならないことに辟易すると回答しました。また、21%の人は、友人や同僚、家族が見せる難聴の症状、例えば人に何度も聞き返すことや、会話についていくことができないといった状況に困惑を感じています。

また、4分の1の人は、聞こえづらさを抱えた人との会話を避けがちになり、さらに4分の1の人は、家族などの難聴が原因で口論になることがあると答えています。

トーマス・ベーレンスはさらに続けます。
「難聴をそのままにすることはたくさんの隠れた影響につながることがあります。人間関係への影響も起こりうる問題です。難聴を早期に解決することで、多くのマイナスの影響を軽減できます。難聴が引き起こす健康や生活の質(QOL)にかかわる問題を軽減また回避することは特に重要です。」

今回の調査では、難聴が健康に与える影響についての認識が極めて低いことも示されました。2,000人の回答者のうち、難聴を未対処にしておくことは、認知機能の低下のリスクにつながり、脳が持つ実際の機能を変化させることを知っているのは20%以下にとどまりました。未対処のままの難聴を抱える事は社会的孤立につながることを知っているのは約半数であり、難聴がうつ病のリスクを高めることを認識していたのは半数以下という結果となりました。

参加者の3分の1以上が、難聴と専門的に診断されていないものの、「聞こえに問題がある」と回答しています。そのうち81%はこれまでアドバイスや治療・対処を受けていません。ほとんどの人は難聴が現在より悪化し生活の質に影響を与えるまで待ちたいと考えています。憂慮すべきは25%の人々は難聴への対処を求めるつもりがないことです。

半数以上の人が、騒がしい環境では会話を聞き取るのが難しいと感じており、また、半数近くの人が、一度に多くの人が話している会話の場面についていけないと感じているにもかかわらずこのような結果となりました。聞き取りの難しさを感じる2つの場面はいずれも、聴力低下の可能性を示す早期の警告です。

トーマス・ベーレンスは次のように結論付けます。
「おそらく、今回の調査へ参加者をはじめ何百万人もの人々が、自分自身の難聴に気づいていないか、認めたくないと思っていることでしょう。
しかし、聞こえの問題をサポートすることは、健康へのマイナスの影響を回避し、人間関係の改善に役立つ可能性があり非常に重要です。聴力の低下が家族や友人など大切な人との関係に影響を与えているとしたら、それはいまこそ対策を講じるべき時期に来ているという明確なサインといえます。」

* 英国の成人2,000人を対象とした全国規模の調査:Oticonと英国調査会社One Poll社の共同によって実施(期間:2021年4月12日~4月15日)

オーティコン補聴器 (デジタルマーケティング:林田、プロダクトマネジメント:渋谷)
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