聞こえの健康は脳の健康
耳は音を集めますが、音を理解するのは脳です。良い聞こえは、生涯を通じて脳の健康を維持するのに役立つ可能性があります。
人生を豊かに
アクティブに
聞こえが良いと、コミュニケーションが取りやすくなるので、チームスポーツのような健康的な運動にも参加しやすくなります。
社会とかかわる
聞こえは、新しい人たちとの出会いや、新しい経験をするための助けとなり、精神的にも社会的にもつながりを維持できます。
活力を感じる
聞こえが良好だと、人の話を理解したり推測したりするための脳の労力が少なくて済むので1 、集中したいことに労力を割けることから、楽に話を聞くことができます。
脳の働きを助ける
難聴になると、脳は音の意味を理解するためにより多くの労力を使わなければなりません。また、音の全体像が不完全なので、人が何を言っているかを推測して足りない情報を埋めることに労力を使う必要があります。つまり、記憶するために使う力が少なくなり、他の思考プロセスに使えるリソースも少なくなります2,3。そのため、普通の状況や会話でも疲れやすくなります。
脳が自然に働くためには必要な音の全体像をすべて与える必要があります。注意を払いたい音に集中しやすくなることで、疲れにくくなります。
難聴が引き起こす負のスパイラル
残念なことに、不明瞭な音の全体像しか聞けないことはその始まりに過ぎません。聞くための労力が増えることで、疲労につながり、聞くことをあきらめがちになる可能性があります。その結果、対話や社会的交流に参加できなくなり、引きこもりや孤立を招く可能性があります。従って、難聴は生活の質の低下につながる可能性があります4。
騒がしい環境での会話が聞き取りにくいと感じませんか?
騒音下での聞き取りは、難聴者にとって最大の課題のひとつです5。 解決のヒントを見つけるために、この課題について深く掘り下げます。
「沈黙と暗闇の中で生涯を過ごした後で言えることは、耳が聞こえなくなることは、目が見えなくなることよりも大きな苦悩であるということです。聞こえを断たれることは、まさに孤立することです。」
ヘレン・ケラー - 社会福祉事業家
難聴の対処が必要な理由
より良い聞こえを確保することは、健康的な脳と健康的なライフスタイルを維持するための重要な基盤となるものです。
聞き取りのストレスを軽減
大きな騒音にさらされたり、騒がしい環境下での聞き取りが困難になったりすることは、聞き取りのストレスを抱える原因となる可能性があります6。たとえ短時間のストレスでも認知的能力に悪影響を及ぼし、会話への参加能力を低下させる可能性があります7。
健全な人間関係を築く
家族や友人との良好な関係は、私たちの健康やウェルビーイングに欠かせないものであり、良好な聞こえは、その関係を築き、維持することをはるかに容易にします。
情緒あふれる生活を楽しむ
私たちが感じる感情の多くは、日常の音や会話から生まれます。耳を通して私たちは楽しさを感じ、刺激され、魅了されます。さらに自然の音や音楽は、私たちをリラックスさせ、気分を高揚させ、刺激し、インスピレーションを与えてくれます。
脳を刺激する
友人と楽しく会話したり、音楽を聴いたり、テレビで時事ネタを見ているときは、感情や言語、記憶などをつかさどる脳のあらゆる領域が刺激されます。
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参考文献
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Edwards (2016). A Model of Auditory-Cognitive Processing and Relevance to Clinical Applicability.
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Pichora-Fuller et al. (2016). Hearing impairment and cognitive energy: The framework for understanding effortful listening (FUEL).
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Rönnberg et al. (2013). The Ease of Language Understanding (ELU) model: theoretical, empirical, and clinical advances.
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Amieva et al. (2018). Death, depression, disability, and dementia associated with self-reported hearing problems: a 25-year study.
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Jorgensen and Novak (2020). Factors influencing hearing aid adoption.
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Christensen et al. (2021). The everyday acoustic environment and its association with human heart rate: evidence from real-world data logging with hearing aids and wearables.
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Qin et al (2009). Acute psychological stress reduces working memory-related activity in the dorsolateral prefrontal cortex.