乳児、幼児、就学前児童(0~4歳)

赤ちゃんや幼児の難聴について知り、彼らが成長できるよう手助けする方法を紹介します。

子どもの言語発達のサポート

発話の基礎は、人生の早い時期に築かれます。まだ話すことを学んでいない時期でも、子どもたちは常に耳を傾けています。子どもが音声や言語、環境音に触れることができるようにすることが大切です。

音は言語の発達を促す

最初の5ヶ月の間に、赤ちゃんはさまざまな音声を聞き分けることを学び、喃語(言葉を話す前の発話)を話すようになります。喃語期が終わると、子どもはさまざまな言葉の使い方を試すようになります。これは単語から始まり、次に2語の組み合わせ、そして文になります。

難聴の子どもにとって、言語発達を促すためには、特別な注意と刺激が必要です。また、補聴器をできるだけ装用することも重要です1

おしゃべりになる

子どもにとって、より多くの言葉や会話に触れることが言語発達につながります。絵本を読んだり、毎日の活動について話したり、いつもそばにいるようにしてあげてください。

混ぜて、繰り返す

色んな単語や文法を使いましょう。子どもが何か言ったら、それを補足したり、正しい文法で繰り返したりしてください。イントネーションを使って、変更した単語を強調するのもよいでしょう。

音楽を作る

歌を歌ったり、韻を踏んだり、歌遊びをしたり、楽器や身近にあるものを使って一緒に音楽や音を作ったりしましょう。

本を読む

一緒に本を読みながら、質問や話し合いをしましょう。同じ本を何度も読んであげましょう。

身振り手振りを交える

簡単なジェスチャーと言葉を使いましょう。ボディランゲージも忘れずに。

物を使用する

物を使って会話を弾ませましょう。物を指さして名前を言ってあげるとよいでしょう。

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コミュニケーションのガイダンスとヒント

コミュニケーションに役立つ習慣を学び、難聴の子どもを持つことについて理解を深めましょう。

子どもに力を与える

就学前の子どもたちは、両親や家族、教育関係者、友達との関わりの中で、言語能力を発達させていきます。また、他人の話を興味深く聞き、分かち合い、初めての友人関係を築いていきます。

子どもの言語能力や対人関係能力を伸ばすために、子どもが遊びや会話に加われるようにしましょう。言葉の発達をサポートすることは、社会性やコミュニケーションの発達にも役立ちます。年齢や発達に応じて、補聴器を自分でつけるなどの役割を持たせることで、自信を育てましょう。

補聴器に責任を持たせる

4歳になると、運動神経が発達し、小さなものを扱えるようになります。保護者の監督のもとで、子どもにイヤモールドの着脱の練習をさせましょう。

環境からの学習を最大限に活用する

環境からの学習は、特に子どもに向けられたものではない会話を聞くことから生まれます。それは子どもたちが学ぶ非常に重要な方法です。

しかし、難聴の子どもたちは「リスニングバブル」が減少しているため、数メートル先で交わされる周囲の会話を聞き取ることができません。つまり、環境からの学習に必要な音へのアクセスが欠けてしまいます。

子どものリスニングバブルの大きさは、難聴の程度によって決まり、毎日一貫して補聴器を使用することで大きくすることができます2

セルフ・アドボカシーを育てる

セルフ・アドボカシーとは、自分が何を必要としているかを表明し、それを他者と共有することです。子どもと一緒に練習して、このスキルを身につけましょう。子どもがうまく聞こえないとき、補聴器がうまく作動しないとき、それを周囲に知らせることは、子どもの学習にとってとても大切です。子どもに必要なコミュニケーションのコツを教えてあげてください。

子どものためのデザイン。子ども時代のためのものづくり。

一貫した補聴器の使用が重要

子どもの発達と成長のためには、できるだけ補聴器を使用することが大切です1。 言語聴覚士は、子どもが耳に補聴器を装着し続けるための方策を考える手助けをしてくれます。

耐久性の高い補聴器を選ぶ

子どもが補聴器をできるだけ長く装用するようにすることは、ときに運動中に壊れてしまったり、外で遊んでいる間に失くしてしまったりすることもあるかもしれません。でも、それでも装用を続けることには大きな価値があります。なぜなら、それによって子どもの脳が最良の発達環境を得ることができるからです。

参考文献

  1. Walker, E. A., Holte, L., McCreery, R. W., Spratford, M., Page, T., & Moeller, M. P. (2015). The influence of hearing aid use on outcomes of children with mild hearing loss. Journal of Speech, Language, and Hearing Research, 58(5), 1611-1625.
  2. Karen L. Anderson, PhD, 2002