alt

音を理解する「本当の主役」は、あなたの脳

実は、耳ではなく、脳が「聞こえ」について、大きな役割を果たしています。だからこそ、聴力の低下はただ「聞こえ」に影響するだけでなく、脳の働きや心身の健康にも影響を及ぼすことがあります。

alt

聞こえの仕組み

私たちが音を「聞く」ことができるのは、「聴覚システム」の働きによるものです。ここでは、音が耳から脳へ届くまでの流れと、脳で理解される聞こえの仕組みについて解説します。

脳は常に「音」を受け取り続けている

私たちの脳は、昼夜問わず、耳から絶え間なく届くたくさんの「音の流れ」を受け取り続けています。この「音の流れ」は、私たちの周りにあるさまざまな音でできています。

脳は、この膨大な「音の流れ」を整理するために、音の位置・高さ(ピッチ)・大きさ(音量)などを手がかりに「音のかたまり(サウンドオブジェクト)」に分けて分析します1,2

脳はその中から「今、何に集中するか」を選び、必要な音を聞いているのです。

alt

脳の「聞こえ」の働き

1.脳は「音を捉える」
耳から届く音をもとに、脳は絶えず周囲の音を整理し、音の全体像を作ります。これにより、周りの環境にあるさまざまな音を理解できるのです。

2.脳は「音に集中する」
脳が音の全体像を理解したら、その中から「どの音に集中するか」を選ぶことができます。必要に応じて、他の音に意識を切り替えることもできます。

脳が音の全体像をしっかりと把握できると、その中から「自分にとって大切な音」を選びやすくなります。さらに、脳は音の情報を使って、次のようなさまざまな活動を行います:

  • ワーキングメモリを使って、会話の内容を理解する
  • 聞こえた音に応じて、喜びや恐怖といった感情を引き起こす
  • 質問に対する答えを考える
  • 危険な音に反応して素早く避ける
  • 誰かの名前など大事な情報を長期記憶として覚えておく

音の全体像が把握できると、脳は邪魔な音(雑音)をうまく抑制することができます。

「聞こえ」が変われば、人生も変わる

難聴を放っておかずに向き合うことで、自分らしい人生をもっと楽しめるようになります。

脳の聞こえの働きをサポートする補聴器

より良い聞こえは、脳の健康を保ち、健やかな毎日を過ごすためのカギです。「聞こえの健康」は、「脳の健康」であり、オーティコンが脳の聞こえの働きをサポートするための「BrainHearing™(ブレインヒアリング)」テクノロジーを搭載した補聴器を開発した理由です。

オンライン聞こえのチェック

無料のオンライン聞こえのチェックは、ほんの数分であなたの聞こえの状態をチェックできます。(目安としてご利用ください。医学的な測定ではありません)

参考文献

  1. O’Sullivan et al. (2019). Hierarchical Encoding of Attended Auditory Objects in Multi-talker Speech Perception.
  2. Puvvada & Simon (2017). Cortical representations of speech in a multitalker auditory scene.