オーティコン補聴器 プレジデント 木下 聡

代表ご挨拶

 

“People First(ピープルファースト)”から“Life-changing Technology(ライフチェンジングテクノロジー)”へ

 

きこえに悩む人(=People)のことを第一に考えよう。わたしたちの製品(補聴器)やその製品に携わる人達(聴覚ケアの専門家)をサポートする様々なツールを通してきこえに悩む人が少しでも不自由を感じることなくいきいきと会話をし、活発な日々を過ごすことができるようその力になりたい。そんな思いを込めた言葉としてわたしたちはPeople First(ピープルファースト)のメッセージを長年にわたり使ってきました。その思いは今から一世紀以上も前の1900年代初頭に創業者であるハンス・デマントが難聴の妻カミラのために当時まだ非常に珍しかった補聴器を求めに行ったことから始まる「愛する人のために」というグループの創業の精神に直結するものでもあります。

補聴器は100年以上の歴史の中で大きな変化を遂げ、今や単純に音を増幅する(小さな音を大きくする)装置ではなくなりました。ダイナミックに変化する音環境の中で、補聴器は音声をとらえ、バランスよく整理した音響情報を脳に届け続けます。つまり重要な音に注意を向け理解しながらその他の音は無視できるといった人が本来持つ「聴く力」をアシストするものへと進化しています。

また、近年の聴覚領域における様々な研究の成果により、ヘルスケアとしての聴覚ケアの意義と重要性がはっきりと語られるようになってきました。聞き取りが難しくなったことで人との接触がおっくうになったり、引きこもりがちになることがその人から活力を奪ってしまうこと、また脳が必要とする刺激が十分に届かないことで、場合によってはうつや認知症など健康そのものに悪い影響を与えるということも最近の研究からわかってきています。

そして今、私たちはこれまで大切にしてきたPeople Firstという言葉をこれからは新しい言葉 ”Life-changing Technology” に置き換え、その実現を目指して前に進むことにしました。

聞く力を取り戻すことがその人の人生を再び輝かしいものにする、あるいは周りにいる大切な人たちを幸せにするはず、求められるのは、きこえに悩む人の人生を大きく変えるもの。わたしたちが提供する製品(補聴器)はそういうもの=Life-changingなもの=でありたい。

同時に人生を変える力を秘めた製品を創り出していくためには長期的な視点に基づいた基礎研究と創造力とスピードを意識した応用的な製品開発の二つの車輪を活かし、常に世界をリードする技術=Technology(テクノロジー)=の実現を目指す企業でなくてはならない。

新たなる一歩を進み始めた私たちにとって "Life-changing Technology" の意図する世界の実現には、思いを同じくするビジネスパートナー(補聴器販売店)の皆様、医療従事者の皆様、小さなお子様の言語習得や療育に従事されている教育関係者の皆様、ご家族やご友人などのご本人を取り巻く皆様、そして何よりきこえに悩みを持たれているご本人様のご理解と共感がかかせません。オーティコンが展開する事業活動を通して、この言葉への賛同の輪が広がっていくことを心から願っています。

 

2020年2月
オーティコン補聴器
プレジデント       木下 聡