世界脳週間に際してのメッセージを発信 「あらゆる世代で聞こえに関心を持つことは、脳を大切にすることへとつながります」

15/03/22

オーティコン補聴器、世界脳週間に際してのメッセージを発信
「あらゆる世代で聞こえに関心を持つことは、脳を大切にすることへとつながります」

110余年の歴史を持ちデンマークに本社を置く補聴器メーカー、オーティコン補聴器(本社:神奈川県川崎市、プレジデント:木下 聡、以下オーティコン)は、聴覚ケアの業界におけるリーダーとして、20年以上にわたり聞こえを司る脳の仕組みと働きについて研究を重ねて、ここから得られた知見はブレインヒアリング(BrainHearing)技術として、製品開発へ応用されています。本年の「World Brain Awareness Week(世界脳週間)3月14日~20日」に際し、オーティコンは、難聴が充実した幸せな生活を謳歌する妨げとなるべきではないとして、あらゆる世代において脳と聞こえの関係についての関心を高めることの重要性について発信します。

人生のあらゆるステージにおいて、聞こえの問題は大きな影響を及ぼします。難聴を抱える小さな子どもたちは学習に問題を抱えがちであるともされます。私たちは一般的に、聞こえを耳の問題と捉えがちですが、聞こえに重要な役割を担うのは、脳であるという事実はあまり強くは意識されていません。

難聴は耳に起こりますが、実際に影響を受けるのは脳です。脳は新しい音情報、視覚情報、そして様々な経験からの刺激を受けることで発達します。音は脳に伝えられ、脳で意味を理解するプロセスをたどります。私たちは、言語を獲得していくために生まれた瞬間からことばに触れ、身につけていきますが、ことばの発達には周囲の会話を明瞭に聞く必要があります。両耳に難聴がある新生児は、およそ1,000人に1人の割合とされています*1。聴覚ケアの専門家のサポートの下、人生の非常に早い時期から補聴器の装用を含む、聞こえのサポートを受ける子供たちが増えています。一方で難聴の子どもたちの取り巻く世界では、聴覚ケアへのサポートは十分だとはいえません。

大人になって難聴を抱えることは、仕事にも支障をきたすかもしれません。難聴者であれば誰でも、社会との関わり方に悩むことがあります。一度に多くの人々の話を聞くことや、雑音が多い環境は、疲れを感じるため、避けたいとさえ思うことがよくあります。その背景には、脳の働きが影響しています。耳を通じて届いた音情報を、脳は記憶や経験といった情報と照らし合わせ意味ある音へ変換していきます。ここに難聴があると、脳は完全な音の情景を受け取ることができず、欠けた情報を補い、周囲で何が起きているかを判断したり、会話についていこうとしたりするためには大きな労力を払う必要があり、これが疲れを生み出します。

難聴によって周囲や社会との距離が生まれる事、これは孤立や抑うつといった問題につながるだけでなく、脳を健康に保つために、本来脳が必要とする刺激が不足し、一般的な認知機能の低下や早期の認知症リスクにつながるとする研究も報告されています*2

良いニュースもあります。難聴に効果的に対処することは、生活の質(QOL)を向上させ、ポジティブな影響を与えることが報告されています*3。欧州補聴器工業会が2019年に発行した、科学的な報告書 「Hearing Loss - Numbers and Costs 」*4では、補聴器やその他の聞こえをサポートする解決策を使用することは、難聴が個人にもたらすマイナスの影響を取り除く、または大幅に軽減させるために重要であると詳述されています。ここには、身体的、精神的な健康への影響、社会生活や人間関係への影響、仕事への悪影響などが含まれます。

補聴器メーカーであるオーティコンは、難聴者が制限のない生活を送れるようにするため、常に技術の限界に挑戦し、業界におけるこれまで常識とされてきた壁を打ち破り、世界最高水準の補聴器を開発するという熱意を持ち続けています。

「オーティコンでは、脳がどのように音を理解するのかを理解することで、精神面における聴覚プロセスをサポートする最善の方法と、認知機能の低下など難聴に関連するリスクから脳をどのように保護するしていくかを明確にしていくことができます。」 オーティコンデンマーク本社で応用オーディオロジー研究のバイスプレジデントを務めるトーマス=ベーレンスはこのように述べるとともに、さらに次のように述べました。

「BrainHearingの理念は、聴覚ヘルスケア企業であるオーティコンの確固たる基盤であり、オーティコンの補聴器は、ユーザーの生活をどのように向上させることができるかを示す、豊富なエビデンス(科学的根拠)に基づいて製品化されています。一人ひとりの聞こえに合わせた補聴器を使うことで、ユーザーはより充実した、よりアクティブな生活を送ることができ、脳が必要とする刺激を与え続けることができます。難聴者の数は増え続けており、特に高齢化社会では、難聴がありながらも聴覚ケアをためらい、自分の症状を我慢して生活している人が非常に多くなっています。オーティコンでは、難聴が人生にどれほど大きな影響を与えるかを理解するために3月3日の世界耳の日、そして本年の世界脳週間に協力できることを嬉しく思います。このような啓もうの機会を通じてできるだけ多くの人々に聞こえと脳との関係について知っていただくとともに、最終的に多くの人々の人生がより良いものになることを願っています」

オーティコンでは、本年の世界脳週間に合わせて、あらゆる世代にむけ、脳と聞こえの関係についての関心の向上に向けたメッセージを発信してまいります。

■オーティコンHP公式ブログ「みんなの聞こえ」

● スペシャルコンテンツ第1弾:脳を健康に保つための3つのヒント
● スペシャルコンテンツ第2段:聞こえの問題はどうして人生の問題になるのでしょうか?

■オーティコン公式YouTubeチャンネル

【World Hearing Day Hearing Facts Video:世界耳の日:2分で分かる聞こえの真実】を3月3日より公開中

■世界脳週間(Brain Awareness Week)について

「Brain Awareness Week(世界脳週間)」とは、毎年3月を中心に脳科学研究の意義と認知症を含む脳の様々な疾患に対する診断、治療、予防の社会における重要性について、社会の関心や意識を高めることを目的として、世界的な規模で行われるキャンペーンです。Brain Awareness Wee1995年に米国ニューヨーク州においてDana Alliance for Brain Initiativesによって制定され、現在Dana Foundationによって運営されています。戦略的パートナーとして、全米神経科学学会(the Society for Neuroscience)、欧州神経学会連合(the Federation of European Neuroscience Societies)などが含まれます。オーティコンはデンマーク、米国そして日本においてもこの活動に賛同しています。
今年の世界脳週間は3月14日~20日です。
https://www.brainawareness.org

*1 http://www.jibika.or.jp/owned/hwel/news/014/
*2 Swaab DF. Brain aging and Alzheimer’s disease, “Wear and tear” versus “Use it or lose it.” Neurobiology of Aging. 1991;12(4):317-324. doi:10.1016/0197-4580(91)90008-8 *3 Livingston et al, 2017/ Lancet Commissions on Dementia Prevention, Intervention and Care 2017 *4 “Hearing Loss – Numbers and Costs” by Professor Emerita Bridget Shield, Brunel University in London with the assistance of Professor Mark Atherton, Brunel University, London

■ オーティコン補聴器について
補聴器業界におけるパイオニアであるオーティコン社(Oticon A/S)は、デンマークを本社とする世界的な企業で、16,000人以上の従業員を有するデマントグループの傘下にあります。 日本市場においては1973年より製品の製造・販売を行っています(https://www.oticon.co.jp)。
オーティコンの新しい企業理念「Life-Changing technology(ライフチェンジング テクノロジー)」とは、「難聴による制限のない世界、補聴器が難聴者の生活に溶け込み、難聴により引き起こされる健康リスクを抑えながら、その人らしく充実した人生を送る手助けとなれるよう、常に最も革新的な補聴器開発をおこなっていくこと」です。
オーティコンは先進のノンリニア補聴器、フルデジタル補聴器および人工知能補聴器を開発し、革新的な技術を開拓してきました。また、脳から聞こえを考える、「Brain Hearing™(ブレインヒアリング)」を補聴器開発の原点に置いています。
先進技術とオージオロジー(聴覚学)を研究するエリクスホルム研究センター(デンマーク)において、約13,000人以上のテストユーザーと世界中から参集した様々な分野の科学者と共に、軽度から高重度、子供用から大人用まで、あらゆる難聴に対応できるよう、常に最先端で革新的な補聴器の開発・製造を行っております。

■ デマント(Demant)グループについて
デマントは、117年前にデンマークのオーデンセで補聴器の輸入商から始まり、のちに補聴器の製造や診断機器、人工内耳事業へと参入していきました。現在、聴覚ヘルスケアにおける全ての分野をカバーする世界唯一の企業として、世界130か国以上でビジネスを展開しています。ビジネス領域ごとの売り上げ比率では、補聴器事業が全体の87%を占めており、その他、人工内耳事業4%、診断機器事業が9%を占めています。中核となる補聴器事業ではオーティコン、フィリップス、バーナフォン、ソニックなど複数のブランドを展開しています。また、デマントはウィリアム・デマント財団が所有し、世界で唯一の慈善財団が所有する聴覚ヘルスケア企業です。全デマントグループ16,000人の従業員とともに、聴覚ヘルスケアや聞こえの改善の研究、製品開発を行っています。
*詳細はこちらをご覧ください。

【本件に関するお問い合わせ先】
オーティコン補聴器(デジタルマーケティング:林田、プロダクトマネジメント:渋谷)
TEL:044-543-0615 FAX:044-543-0616 E-mail:info@oticon.co.jp