世界的にチョコレート、そしてワインは2月14日のバレンタインデーに愛を伝えるメッセージの代名詞となっています。

06/02/20

さまざまなチョコレートが店頭に並ぶこの季節、総務省統計局(2017年)の調査では、チョコレートへの支出が、2月では年間平均の2.8倍に上がると算出しています。そしてチョコレートと相性が良い大人の飲み物の一つに赤ワインを上げる方々は多いと思います。2月14日はバレンタインデー、チョコレートもワインもロマンティックな雰囲気づくりに貢献しますが、この魅惑的なチョコレートや赤ワインが、「聞こえ」に対しても良い影響があるとしたら気になるところです。

バレンタインデーは赤ワインとともに!

valenines1

ワイン愛好家の皆様、うれしいニュースです。グラス1杯の赤ワインをたしなむ習慣は実際に聞こえの健康への守りにつながる、特に騒音性難聴についてのプラスの効果が報告されています。赤ワインに含まれるうれしい成分とは「レスベラトロール」のこと。レスベラトロールとは赤ブドウの表皮に見られる抗酸化物質のことで、コレステロールを低下させ、炎症を軽減させると研究者らは報告しています。

米国デトロイト州のヘンリーフォード病院の研究者らは、健康なネズミにレスベラトロールを投与し、一定期間にわたって大きな騒音にさらす実験を行いました。この実験で使われたネズミのうちレスベラトロールを投与されたネズミの聴力は、投与のないネズミに比較してより早くその聴力を回復し、騒音性難聴を起こしにくいことがわかりました。 この研究は、米国の耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門誌「Otolaryngology-Head and Neck Surgeryオンライン版2013年2月号」上で発表され、難聴の原因につながる炎症反応に深く関与する酵素COX-2の量をレスベラトロールが減少させているということを明らかにしました。

ただし過度のアルコール摂取にはご注意を

しかしながら、グラス1~2杯の赤ワインは騒音性難聴の原因につながる炎症リスクを減らす一方、過度の飲酒は血中アルコール濃度を有害レベルまで引き上げ、聴覚に永久的な損傷をもたらすことが分かっています。

ドイツのウルム大学(University of Ulm)の研究者らが2004年に行った研究では、過度のアルコール摂取では、聴覚情報を処理する脳幹が損傷を受け、耳は正常に音を受け取っていても、音響情報を解釈し音の意味を理解する脳の能力が、アルコールの影響によって阻害される可能性があることが報告されています。

ダークチョコレートはお好きですか?

valenines2一点だけ明らかにしておくべきことがあります。聞こえの健康を守るのはチョコレートそのものではありません。その役割を果たすのはチョコレートに含まれるミネラルの一つ亜鉛の働きです。特にダークチョコレートに亜鉛が含まれており、亜鉛は人の免疫システムを強化し耳の感染症を防ぐ役割が知られています。

亜鉛はまた、急にきこえが悪くなる突発性難聴の回復を手助けすると言われています。突発性難聴に悩む人々の割合は低いのですが、誰もが経験する可能性を秘めているタイプの難聴です。突発性難聴になった人の約65%が聴力を回復していますが、米国国立生物工学情報センターが2013年に行った研究医師により処方されたステロイド治療と亜鉛を組み合わせることによって難聴の回復率が優位に良くなることが報告されています。研究者らは、亜鉛の抗酸化作用と抗炎症作用は、酸化によって内耳が受けるストレスを軽減したのではないかと考えています。  

注:亜鉛は抗生物質や利尿薬の作用を妨げることがありますので、サプリメントとして摂取する際は、必ず医師に摂取しても良いかどうかを確認してください。

炎症と聞こえの健康との関係

ところで炎症は聴覚の健康に一体どんな関係があるのでしょうか?その答えは、音の処理が行われる内耳にあります。耳を通じて収集された音は電気インパルスに変換され脳へ届けられ、脳は音の意味を理解します。

この脳の働きに必要なのが聴覚の感覚細胞である有毛細胞です。有毛細胞を健康に保つためには血液循環を良くしておくことが大切です。中耳炎などによって生ずる炎症は、血液循環を妨げ不動毛(有毛細胞の頂面にある構造)に修復不可能な損傷を与えることがあります。

ご自身の手で防げる難聴もあります、そして節度が鍵…

valenines3

他の哺乳動物とは異なり、ヒトの不動毛や有毛細胞は再生しません。細胞が死滅する、または傷つくことによって、私たちの聴覚は永久に影響を受けることになります。健康的な食習慣や定期的な運動の習慣を持つこと、そして大きな騒音のある環境では耳栓を使用する、また過度の環境騒音を減らすことは、年齢を重ねても聴力を維持していく手助けとなります。

このバレンタインに大切な人へ愛や感謝を伝える方々も、実はチョコレートやワインにこそ愛を注いでいるのだという皆さまも、人生の多くの事柄と同じく何事も節度が重要です。飲みすぎや食べすぎにはご注意を・・・。

さまざまな研究がダークチョコレート(特にカカオ70%以上が強くお勧めとのこと)や適量の赤ワインを日ごろの食事に取り入れていただく健康へのメリットを挙げていますが、聞こえの健康のためには、どうぞもう一つ、定期的な耳鼻科での聴力検査をぜひ加えてください。

もし、聞こえや補聴器について気になることがあればお近くの補聴器販売店でもご相談が可能です。

参照サイト

ロッテ、世界のチョコレート文化

日本のワイン市場

Otolaryngology-Head and Neck Surgeryオンライン版2013年2月号(英文)

【本件に関するお問い合わせ】

オーティコン補聴器:林田 (デジタルマーケティング)
TEL 044-543-0615/ FAX 044-543-0616/ E-mail info@oticon.co.jp

■本記事について

本記事は米国Healthy Hearingにて掲載された記事を、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。本記事のコピーライトはhealthyhearing.comに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingが指定する執筆者または提供者に帰属します。

■英語版記事はこちらから

米国「Healthy Hearing」2017年2月14日の記事「Chocolate,Wine and hearing loss」(Debbie Clason寄稿)