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オーティコン補聴器、世界脳週間に際してのメッセージを発信 「より良い聞こえのために、脳へのさらなる関心を」

18/03/20

110余年の歴史を持ちデンマークに本社を置く補聴器メーカー、オーティコン補聴器(本社:神奈川県川崎市、プレジデント:木下 聡、以下オーティコン)は、聴覚ケアの業界におけるリーダーとして、20年以上にわたり聞こえにおける脳の働きを研究し、その研究から生まれる革新的な技術について製品開発への応用を進めています。本年の「世界脳週間(World Brain Awareness Week)3月16日~22日」に際し、難聴に対して効果的な対処を行うことが脳の健康とその機能にとっていかに重要であるか、また適切に調整された補聴器によってユーザーの生活の質(QOL)が大幅に改善され得るかについて、啓発メッセージを発信します。

この5年間の間、難聴の生理学的な影響についての理解に大きな進歩が起きています。私たちは一般的に、聞こえを耳と関連付けて考えますが、聞くことに重要な役割を担うのは脳の働きであることをあまり意識していません。耳から届いた音響情報を、脳は記憶や経験といった情報と照らし合わせ意味ある音へ変換していきます。聴力低下があると、脳は完全な音の情景を受け取ることができず、欠けた情報を補うために大きな労力を払う必要があります。本来であれば会話に必要な情報を覚えておくといった脳の認知資源を聞くこと自体に費やすことになります。

難聴がもたらす脳への影響に関する研究は、増加しています。その一例として、世界において研究者たちは、難聴とうつ病や認知症を含む認知機能との因果関係を示唆しています。また、難聴を未対処のままにしておくことが、実際脳の変化につながることを示す研究結果も増えています*1

日本国内においても、聞こえの重要性に関する関心は高まっています。筑波大学医学医療系のヘルスサービスリサーチ分野の研究者を中心とした共同研究チームは、高齢者の難聴とその他の症状の関係についての解明を試みました*2。同研究チームでは、全国の22万世帯が参加した2016年「国民生活基礎調査(厚生省)」の回答データを用い、65歳以上で認知症のない13万7千人を対象として、難聴(聞こえにくさ)と外出活動制限・心理的苦痛・物忘れ(いずれも自己申告)の3つの項目との関連を分析しました、研究結果として、聴力低下は3つの項目すべてと関連があり、特に物忘れと難聴では明確な関連があることが示されました。この調査結果は、日本老年医学会発行のジャーナル誌「Geriatrics & Gerontology International」に報告されています。

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新たな研究により、難聴へ対処するために補聴器を装用することによって、認知症、抑うつ、不安、転倒による負傷といった重大な傷病発生のリスクを遅らせることができる可能性も示唆されています。米国国内の医療保険のデータを用いて実施された最近の研究では、補聴器の装用により、これに続く3年間、高齢難聴者において認知症のリスクが17%、うつ病が14%減ったことも示されました*3

「難聴を抱える多くの方は、音を理解するためには、不足している音響情報を補うよう、脳をより一層働かせなければならないことには気づいていません。脳への過負荷が生み出す疲労や睡眠障害、社会的な孤立といった状況は脳の自然な老化プロセスを加速させ、健康全般に長期的な影響を与える可能性があります*4」オーティコン デンマーク本社でオーディオロジー主幹を務めるトーマス・ベーレンスはこのように述べています。

「脳から聞こえを考える先駆的なBrainHearing™(ブレインヒアリング)とは、オーティコン独自の補聴器開発におけるコンセプトです。音を理解する脳の働きをサポートする革新的な技術の開発に専心し、聞こえに悩むすべての方々の人生そして生活の改善に貢献できることに誇りを感じています。聞こえの問題に対し、補聴器装用をはじめとする聞こえのサポートを受けることは、一人ひとりのQOL(生活の質)を向上させ、より長期にわたり自分らしく人生を謳歌いただくことにつながります*5。本年の世界脳週間を通じ、聴覚が脳へ果たす重要な役割について、より多くの方に関心を深めていただければと願っています」

 

世界脳週間(Brain Awareness Week)について
「Brain Awareness Week(世界脳週間)」とは、毎年3月を中心に脳科学研究の意義と認知症を含む脳の様々な疾患に対する診断、治療、予防の社会における重要性について、社会の関心や意識を高めることを目的として、世界的な規模で行われるキャンペーンです。世界脳週間は1995年に米国ニューヨーク州においてDana Alliance for Brain Initiativesによって設立され、現在Dana Foundationによって運営されています。戦略的パートナーとして、全米神経科学学会(the Society for Neuroscience)、欧州神経学会連合(the Federation of European Neuroscience Societies)などが含まれます。オーティコンはデンマーク、米国そして日本においてもこの活動に賛同しています。今年の世界脳週間は3月16日~22日です。
https://www.brainawareness.org

 

*1. Sharma and Glick, (2016) - Cross-Modal Re-Organization in Clinical Populations with Hearing Loss
*2. 高齢者における難聴は外出活動制限・心理的苦痛・もの忘れと関連する ~平成28年「国民生活基礎調査」の分析~
*3. Mahmoudi et al. (2019) “Can Hearing Aids Delay Time to Diagnosis of Dementia, Depression, or Falls in Older Adults?”
*4. Maharani et al., (2018) “Longitudinal Relationship Between Hearing Aid Use and Cognitive Function in Older Americans”, J. Am. Geriatrics Soc.
*5. Amieva, (2018) -Death, Depression, Disability, and Dementia Associated with Self-reported Hearing Problems: A 25-Year Study

 

■オーティコン補聴器について
補聴器業界におけるパイオニアであるオーティコン社(Oticon A/S)は、デンマークを本社とする世界的な企業で、15,000人以上の従業員を有するデマントグループの傘下にあります。 日本市場においては1973年より製品の製造・販売を行っています。オーティコンの新しい企業理念「Life-changing technology(ライフチェンジング テクノロジー)」とは、「難聴による制限のない世界、補聴器が難聴者の生活に溶け込み、難聴に伴う健康リスクを抑えながら、その人らしく充実した人生を送る手助けとなれるよう、常に最も革新的な補聴器技術の開発をおこなっていくこと」です。オーティコンは先進のノンリニア補聴器、フルデジタル補聴器および人工知能補聴器を開発し、革新的な技術を開拓してきました。1977年には先進技術とオージオロジー(聴覚学)を研究するエリクスホルム研究センター(デンマーク)を設立、約13,000人以上のテストユーザーと世界中から参集した様々な分野の科学者と共に、軽度から高重度、子供用から大人用まで、あらゆる難聴に対応できるよう、常に最先端で革新的な補聴器の開発・製造を行っております。

 

【本件に関する報道関係者のお問い合わせ先】
オーティコン補聴器 (PR: 木下、山地)、(プロダクトマーケティング:渋谷)
TEL:044-543-0615 FAX:044-543-0616 E-mail:info@oticon.co.jp