preschooler

未就学児(3~6歳)

家庭環境以外の子どもが良く状況を理解できていない環境で、多くの時間を過ごしながら社会性を身につけていく最初の段階では、適切な聞こえのサポートが必要となります。この段階では子どもが学校に通うための準備として、言葉の複雑さと豊さを学ぶ必要があります。

社会性の発達と答えの探求

日常生活の中で「これなに?なんで?」の問いかけが多くあるかもしれません。この時期は、自信と自己表現、特に自己コントロールを養います。子どもは色々なことに興味を持ち、自発的に関わろうとします。自発性を尊重しながら大人が少しサポートをすることで、子ども自身でもいろいろなことができるようになっていきます。

未就学の子どもは継続的に言語能力を培っていきます。そして、何かにつけて、様々な人と会話をしたがります。関心をもって他人の話を聞いたり、わかちあったりしながら、初めての友達関係も築いていきます。お子さんが望むことがすべてできるように手助けしてあげてください。そうすることで、言語だけではなく、いろいろな力が養われていきます。年齢と成長に相応した責任を与えることで、補聴器をつけ良いコミュニケーションを取ることの大切さが理解できるように、力づけてあげてください。

そばで遊ぶことから一緒に遊ぶことへ

この段階になると、子どもたちは友だちを作り、一緒に遊びはじめます。そして、自分と他人の能力を比べはじめます。

友だちとの遊びの環境(保育所や遊び場など)は、自宅よりも複雑で騒がしい環境になります。周囲の雑音や隣で話す他の子どもたちの声が、聞き取りを難しくさせることもあります。難聴の子どもの中には、周囲の雑音や不十分な言語力が原因で、何が不満なのかを上手く伝えることができず、かんしゃくを起こしたりする子どももいます。補聴器が音声と雑音をきちんと分けて子どもたちの脳に届けることで、子どもたちは自分の周りで起こっている状況を理解して行動することができます。このことが社会性を養う手助けとなります。

自分自身、他人、そして周りの世界

未就学児は、自分の能力に自信を持ち始めます。課題をこなし、周りの世界について質問や説明ができるくらいの言語力を発達・向上させていきます。子どもは自発性を示すようになり、自立を求め、自分の周りの世界をますます意識するようになります。

難聴が原因で、自分を取り巻く環境からすべての情報を得ることができないと、同年齢の健聴児よりも、言語や社会性の発達などの面で、全体的に遅れてしまうというリスクが生じることがあります。また、難聴児の場合は過保護になりやすく、困難や失敗から学ぶ経験を過度に奪われてしまうというリスクもあります。自然な成長を促すためには、家の外でしかも安全である場所で過ごす機会を与えることと、成長に必要な経験を積めるようにしてあげることが重要です。

難聴の子どもを育てるを読む

自信をつけるための機会

子どもに責任をもたせ、自分の補聴器のケアをしてもらう
4歳になると筋肉の細かいコントロールも発達し、小さな物も上手に扱えるようになります。補聴器の電池を交換したり、補聴器をつけたり、外したりという行為を、子ども自身に経験させてみましょう。

主体性を育てる
自分にとって良い聞こえの環境とはどういう環境なのかについて、お子さんと話し合ってみましょう。きっと子どもは良いコミュニケーションを取るために必要なことについて、すぐに話ができるようになるでしょう。子どもに全てを教えるのではなく、参考になるようなコミュニケーションを取るためのヒントを伝え、子どもが保育所でもうまくコミュニケーションを使えるようにしてあげてください。

Two boys in class

次の段階:
児童(6~12歳)

難聴を抱える子どもは成長するにつれ、乳幼児期から児童、そしてそれ以降とそれぞれの成長段階に応じ、いろいろな課題に直面します。子どもの学びと成長は、時間の経過とともにそれぞれ異なっており、子どものニーズを継続的に確認してあげる必要があります。新しい概念やスキルが生まれるたび、新しい行動が生まれます。十分にサポートしてあげられるようにそのサインを見逃さないでください。

子どもが学校に通い始める時、それは刺激的で冒険に満ちた時間の始まりです。しかしながら、すべての子どもに言えることですが、学校は、教室で話を聞いたり、理解したり、言われたとおりに行動するために自分自身がたくさんの苦労をしなければいけない場所でもあります。お子さんの人生が、新しく素晴らしいけれども困難もある段階であることを認識し、それに向けて準備をしておくことをお勧めします。

さらに詳しく

  • お子さんの聞こえは何故重要なのか?

    お子さんの”話す”、”読む”、”書く”を学び、社会的スキルを発達させるためには”聞く”を使います。

  • 難聴の子どもを育てる

    お子さんの人生を豊かなものにするための親御さんの役割について考えてみましょう。

  • ティーン(13歳以上)

    10代から大学生ごろまでの年代のを持つ親御さんとして、この世代の子どもたちにどのような支援ができるのか考えてみましょう。

  • オーティコン 小児用補聴器

    小児用補聴器を詳しく