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聴導犬たちが生活を変えています

01/11/19

Hearing assistance dogs are changing lives

※本記事は、2016年11月11日に掲載した記事の再編集したものです。

寄稿:リサ・パッカー(Lisa Packer)、スタッフライター、Healthy Hearing | 2016年3月23日

ほじょ犬ロゴ

どうぞ「可愛すぎる!」を連発してしまわないように。日本では11月1日は犬のワンワンワンの鳴き声にかけた記念日、犬の日とのことです。米国では3月23日が全米子犬デー(National Puppy Day)。これらの記念日の前後にはいつもに増してソーシャルメディアは可愛い犬たちの画像で溢れかえるかもしれません。

日本の犬の日は「犬についての知識を身につけ犬をかわいがる日」、また米国の子犬の日は「子犬たちと彼らがもたらす愛情と献身を讃えるためだけでなく、何らかの理由で保護を必要としている犬たちに安住の家が必要であることを一般の人々を啓蒙するために設けられた」いずれもわたしたちの身近な存在にある犬たちを見つめなおす記念日といえます。

犬の日にちなみ、盲導犬、介助犬と並び補助犬の一角を担う聴導犬についてご紹介します。犬たちの保護や犬についての正しい理解を啓蒙する国内外の団体・組織の一部では、保護犬に里親や温かい家庭を探すだけでなく、聴覚障害を抱える人々に切実に必要とされているサービスを提供しています。

聴導犬とは?

聴導犬の初めての登場は1960年代にさかのぼります。国際アシスタンス・ドッグ協会(Assistance Dogs International)や、米国聴導犬協会(Dogs for the Deaf)といった組織が保護施設から犬たちを救い、聴導犬となるための訓練を施し、パートナーとの引き合わせを行ってきました。犬は、人間のパートナーの「耳」となることにより、安全と自立心を提供し、生活の質を向上させることができるのです。

聴導犬は、目覚まし時計、呼び鈴、キッチンタイマー、火災警報、強盗警報、電話といった家庭内やその他の音を人に知らせるように訓練されています。家庭では、犬たちが腕や足を軽く押すといった身体的な接触によってパートナーに知らせ、その後音源に誘導します。公共の場で遭遇し得るあらゆる音に対して反応するように犬たちを訓練することは不可能ですが、パートナーは聴導犬の反応にあわせて、それに従い反応や行動ができるように学んでいきます。

聴導犬になるには?

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聴導犬は特定の犬種である必要はありません。米国にある自立のための伴侶犬(Canine Companions for Independence)などの組織では、ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーなど補助犬をめざして特別に育てられた聴導犬の提供に力を入れていますが、何よりも重要となるのは犬たちの気質です。

聴導犬を訓練する組織の多くは、保護犬、特にテリア、プードル、チワワ、シーズー、コッカー・スパニエル、ラサ・アプソといった小型犬や中型犬の雑種を好みます。小型犬、中型犬が好まれる理由は、聴導犬を求める人々の多くが要望する犬の大きさがこのサイズに集まるからということでもあります。

聴導犬になるまで

目覚まし時計

何をもって優れた聴導犬と定義するのでしょう?米国聴導犬協会の(Dogs for the Deaf)協会のニコール・トールマン(Nicole Tallman)氏は、何よりもまず、フレンドリーで親しみやすい犬でなくてはならないと言います。すなわち、犬小屋の背後に隠れて潜むような犬は介助犬の理想的な候補にはなれないということです。

また、犬たちは、食べ物やおやつによって動機付けが習得できること(つまり、ご褒美のために働こうとする)、公共の場でも落ち着いていられて、そして健康でなくてはなりません。常時、働く準備ができているようにする必要があるため、体力水準もとても重要となります。

まず聴導犬の候補が保護施設などから保護されると、最初に獣医による簡単な診察が行われ、基本的な健康状態を確かめます。その後、訓練の第1段階が始まります。最初の訓練は、他のあらゆる犬と同様、基本的な社会への対応およびしつけです。ボランティアの子犬飼育者が生後約6ヶ月になるまで犬を育て、次の段階、つまり正式な音声応答訓練に移る準備をします。この時点で、標準的な家庭犬とは歩む道が分かれます。早期の社会化段階が完了すると、1日に1~2時間の訓練を実践します。そこで、一般的な家庭内の音に反応することでご褒美をもらえるシステムが教えられるのです。訓練のこの段階は約6ヶ月続きますが、訓練期間はそれぞれの犬によって異なります。

すべての犬が聴導犬になれるわけではないですが

しかしながら、すべての犬が訓練を乗り越えられるわけではありません。上述の米国聴導犬協会において最終的に聴導犬として認められることになるのは4匹中1匹の割合に留まるとトールマン氏は言います。「単純に働く気のない犬もいるのです」と話します。しかしながら、幸運なことに残った犬たちはは、すべての犬が温かい家庭に受け入れられるように同協会によって縁組みが組まれます。

聴導犬とパートナーになるためには

資格を得た犬はそれぞれ、聴覚補助を必要とする人間のパートナーとの縁組みが組織によって行われます。しかしながら、すべての難聴者が聴導犬を得ることができるわけではありません。「聴導犬を得るには、重度難聴者であるか、聴覚を活用することが極めて困難な人でなくてはなりません」とトールマン氏は言います。「ここでご紹介するのは米国での例ですが、パートナー候補となる方の聴力を測定し、その後、聴覚の専門家が検討します。費用に関しては、聴導犬を提供する組織の多くが非営利であり、後日払い戻しされる預り金と少額の申込金だけが必要となります。通常は、人間のパートナーも短期間の訓練を受ける必要があります。」

日本における聴導犬についての組織や補助犬を迎えるについての具体的な情報はどうぞ厚生労働省が提供するウェブサイト「ほじょ犬」ページを参照ください。

補助犬、そして聴導犬の活躍の場が広がり始めています

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米国における補助犬の総数は、過去10年間で急速に増加してきました。このうち特に、聴覚障害をもつ方々が抱える、目に見えないニーズに対する聴導犬が増加しています。しかし、障害のことが理解されず、犬がいることに反対する人もいます。そして、そのような人々と対立してしまう危険は日々存在します。幸いにも、障害を持つアメリカ人法(Americans with Disabilities act)では、ビジネス、政府および多くの非営利団体に対し、一般の人々がアクセスする場ではどこであれ、補助犬を許可するよう要求しています。法律は特別な装備等を要請していませんが、通常、聴導犬はベストや蛍光オレンジのひもや首輪で一般の人が識別できるようになっています。

日本においても身体障害者補助犬法が施行され公共の場所での補助犬の受け入れの輪が少しずつ広がり始めていますが、米国同様に広く理解を得るためにはさまざまな取り組みが必要な現実があります。

犬の日にあたって

犬の形の雲

聴導犬が生活を一変することには疑いの余地がありません。英国在住のスティーヴン・テイラー氏は事故によって聴力を失い、エコー(Echo)という名の聴導犬を得るまで、生活をもういちど組み立て直すことに苦労しました。英国ガーディアン紙の取材に対し「エコーを得たことで、再び外出する自信が付きました。以前にはできるなんて考えられなかったことが今ではできるようになり、再び人生を楽しめるようになったのです」とテイラー氏は語りました。

犬の日にあたって補助を必要とする人々に寄り添う聴導犬、盲導犬、そして介助犬・・・すべての補助犬たちの活躍にどうぞ惜しみない拍手をお送りください。

引用元について:

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本記事は米国HealthyHearingによって記載された記事を基に、一般的な情報提供を目的として意訳、また日本国内の事情に沿うように加筆再編成したものです。当該記事は本社を置くデンマークまた米国での情報をもとにしており日本国内での基準と異なる場合もあります。本記事のコピーライトは healthyhearing.com並びにOticonに帰属します。本記事内に掲載された名称は、それぞれ各社の商標または登録商標です。また、出典や参照元の情報に関する著作権は、healthy hearingまたはOticonが指定する執筆者または提供者に帰属します。

引用元について:Contributed by Lisa Packer, staff writer, Healthy Hearing | Wednesday, March 23rd, 2016

英語版は下記から参照いただけます:http://www.healthyhearing.com/report/52637-Hearing-assistance-dogs-are-changing-lives